2014年10月19日日曜日

Quito 其の壱

日本人に有名だと言う”Hostal Sucre”に滞在しています
嘗てはUS$3と言う安さに貧乏旅行者が集まり、”泥棒宿”とも呼ばれていたそうです
自分の部屋の鍵は自分の鍵で掛ける事になっているし、特に問題はありませんでした

現在は一泊US$5で個室のみ、Wi-Fi有、水シャワー
Wi-Fiは宿泊者数が増えると致命的な遅さで、しばしば回線も途切れます
そしてこの標高で水シャワーはどうだろう。しかも、水はキンキンに冷えていてまともに浴びる事とか不可能(他のシャワーは出るのかも)

部屋はこんな感じ。若干狭いが、寒くも無くそこそこ快適

オーナーのホセが飼っている子猫が超絶可愛い

立地は良くて、旧市街地区にあり、スーパーや諸々のお店は徒歩圏内
僕が宿泊していた時は、韓国人が大勢いて日本人はほとんどいませんでした
色々情報を得たかったのですが、残念

ところで、”エクアドル”はスペイン語で”赤道”と言う意味なんですが…
気付いたら南半球に足を踏み入れていました

”初南半球”

と言う事で、キト北部にある赤道を見に行ってきました
赤道上にある国はケニアやインドネシアなんですが、森や山の中にあって交通の便が悪く、キト程容易に訪れる事が可能な国は無いそうです
自転車で行くには30km弱あるので、ここはバスを使います(US$0.45の激安運賃)
バスは早くていいけど、やっぱり旅情に欠けますな…

着きました赤道”La Mitad del Mundo(Middle of the World)”(入場料;US$4)
流石になかなかの観光名所で綺麗に整備されています
今日が土曜日と言う事もあって、随分多くの観光客が押し寄せていました

緯度0の赤道。ここで北半球と南半球とに分けられる

威厳のある遺跡風

モニュメントにはめ込まれた石盤。赤道がどうとか

お土産屋さんが沢山並んでいます。赤道Tシャツが欲しい

日時計

これは自分でも意外だったのですが、割と感動しました
恐らくこのモニュメントが如何にも威厳のある感じで好みだったからでしょう
どこか遺跡の様な雰囲気が神秘的で、北半球と南半球を分つこの建造物のもつ”力”に惹かれました
本当は自転車でこの赤道を跨がせて写真を撮りたかったのですが、恐らく入場の際に断れるので無理して来なくて良かったかも知れません


うーん、我ながら素晴らしい


でも実はこの赤道の位置は間違っていて、GPSで観測された赤道はすぐ横にあるんですけどね
しっかししようぜ、エクアドル(でも、調査団はフランスかどっかだったかと)
”本当”の赤道を見る為にはまたUS$4も掛かるのが、多少イラっとする

ここでは別にUS$4払っているだけあって、幾つかのアトラクションが用意されています
赤道直下では、物理学的に特異な点であることから、変わった現象が起こる様です
とその前に、”赤道”って何ぞやってところから始めようと思います。すみません、技術屋だったもので…

ここが本当の赤道だとさ


良く知られた事ですが、”エクアドル”はスペイン語で”赤道”と言う意味です
因みに”赤道”の由来は、古代中国の天文学において太陽が真上を通るとされる地点を天球図で表現する際に赤い線を用いた事が由来とか
赤道野全周長は約40,075kmで、春分と秋分の年二回、太陽が真上に来ます

実験1. 赤道上では、卵が釘(頭側)の上に直立する

ガイドさんやお客さんが頑張って卵を立てては写真を撮っていましたが、成功率は今ひとつ…
僕はすんなり立てる事が出来ましたが、こういう事は割と得意な方なので…
やってて思ったのですが、これはほぼその人の器用さや周囲環境(風や振動等)に依るところが大きいだろうと

物理学的な観点で言いますと、赤道上では遠心力がその地表面に対して垂直に働き且つ最も遠心力が強く働きます
理論上は確かに赤道上で試した方が良さそうではありますが、それは微々たるものです

実験2. 赤道上では、渦を巻かない。赤道から離れると渦が発生する

ガイドさんが先ず、赤道上に水を注いだ桶を置き、栓を抜きます。すると排出される水は渦を描く事はありません
次に、1m北半球側に先ほどの桶を置き、栓を抜きます。すると排出される水は反時計方向に渦を巻きました
更に、1m南半球側に先ほどの桶を置き、栓を抜きます。すると排出される水は時計方向に渦を巻きました
うーむ、何か納得いきません。いくら何でも、1mでこんなに渦の方向が変わるものかね….

物理学的には”コリオリ力”と言われる作用です。実際、立て看板にも公式と共に記載されていました
”コリオリ力”は物理学における基本的な概念ですが、僕もよく分かっていませんでした
例えば、AさんとBさんがある円盤に乗っているとします。その円盤は反時計方向に回転しています
そして、Aさんは円盤の真ん中に、Bさんは円盤の外周部にいます
ここで、AさんがBさんにボールを転がして渡そうとしています
しかし、転がしたボールはBさんの元へは届かず、右に逸れてしまいました
何故なら、転がしている間にも円盤は反時計方向に回っているからです
これが、「コリオリ力」です
コリオリ力は「2vΩsinθ」で表され、vは速度、Ωは地球の回転角速度で定数、θはその地点の緯度
つまり、コリオリ力の大きさは”速度”と”緯度”のみで決定されると言う訳です
赤道では緯度が”0”なので、即ちsin0=0であるからコリオリ力は働きません
では、赤道から1mちょっと離れた点の緯度はと言うと…たかが知れていますから、sin0.000…=0.000…となりコリオリ力はほぼ無視出来る大きさになります
 
実験3. 赤道上で目を瞑って歩くとまっすぐに歩けない

ガイドさんがお客さんに目を閉じて、赤道上の栓を歩く様に指示します
お客さんはふらふらしてまっすぐ歩けず、ガイドさんに「オーストラリア側に来ちゃったね」等と軽く上目線でものを言ってきます

此れに関しては、物理学的にもちょっと調べた感じでは理由が掴めませんでした
まぁ、でも目を瞑ってまっすぐ歩くとか普通に難しいと思うんですけど…


兎に角言いたかった事は、聞いた事を鵜呑みにするんじゃなくて、「何となく違う気がする」という直感も大事だと言う事です
なぜ?なぜ?を問いつめて行く習慣を会社で身に付けたのは、人生の大きな収穫の一つだと思っています
文字だけの羅列で長々と書いてしまいました、すみません。

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