42日目 2015/08/30 宝石の道day7
本日は、僕の自転車旅行中において最高所となる峠を越えます
というわけで朝から早速上り坂が続きます
途中、ツアー会社の自動車が止まり、ツアーに参加していた方からお水を頂きました
車でも十二分に悪路だとわかるところを、荷物満載の自転車を見たら心配、応援したくなる気持ちもよく分かります
しかしながら、それが視界に入ってから”手持ちの何かを見知らぬ誰かにあげる”という判断になる神経に敬服します
僕でさえその立場にいたとして、即座にその行動に移れるか分かりません
頂いた”もの”に単純に嬉しいこともありますが、それよりもやはりその心にいつも感動します
本当に本当にありがとうございます
今日は上り坂からスタート
ものよりもその気持ちが胸に沁みます
雪が残る悪路を上っていくと、徐々に吹く風も冷ややかなものに変わっていきます
お昼過ぎ、遂に4,950mの峠越えを果たすことが出来ました
何故かどうしても5,000mの壁を越えられないのがとっても悔しいです
相変わらずこんな道です、、こういうのを悪路って言うんだそうです
そろそろ峠越えです
この峠付近には¨Ojo de Mañana¨という間欠泉があります
何やら地獄のような独特の色合いの大地が広がっており、ポコポコと湯気を立てています
風下に立つと硫黄臭と熱気が吹き込んできて、若干くらくらとしてきました
お腹が空いていたのですが、ちょっと気分が悪いです
なんとも言えない色合いの大地です
紀元前みたいです
常にぽこぽこと湧き続けています
別世界
峠を越えたので後は軽いアップダウンを繰り返して下りになります
僕が丁度下りに変わるところの頂点を上りきる頃に、反対側から自転車旅行者が参上です
3人組のフランス人で、うち二人はタンデム自転車に乗っています
初めて見たけれど、なんか呼吸を合わせたり色々喧嘩になりそうな自転車だな、って思いました
1人乗りの自転車の彼はフランス語・英語・スペイン語の3ヶ国語を話せるみたいで、羨望の眼差しです
彼の持つチューブのバルブが壊れていて「30min毎に空気を入れなくちゃいけないんだ」って笑っていました
僕のバルブのタイプが”米式”で、彼のバルブが”仏式”で残念ながらお役に立つことは出来ませんでした
やっぱりフランス人は仏式を使いたがるのでしょうか
こんな道を走っている人がいると分かるだけで勇気が出ますね
お昼にオートミールを食べて、ダラダラと状態のよくなった未舗装路を下りていきます
すると一台の車が止まって話しかけてきました
よくよく見ると、今日の午前中に水をくれたツアー会社のドライバーのようです
「果物いる?」
なんとなんと、余った果物や野菜など大量の食料を頂きました
今日は残り僅かな食料を投入したパスタパーティーの予定でしたが、急に豪華になりました
「お前のことを”Crazy”なんて言う奴は俺が殺してやるよ hahaha」
なんて彼は言っていました
でも、最初会った時に¨YOU´RE CRAZY!!!(お前は狂ってるな!!)¨って言ってた気が、、
何はともあれ本当に感謝感謝です
大量の食料を積み直して坂を下っているとみるも鮮やかなターコイズブルーの湖が現れました
もう多く湖を見てきて感動しないかと思っていたけれど、これには改めて感動してしまいました
食料に景色に下りに充足感が溢れていた頃に¨Porques(ポルケス)¨というところに到着しました
ターコイズブルーの美しい湖
”撮って!”と言わんばかりの位置にビクーニャの群れ
うーん、、、美しい
なんとここポルケスには、、、”温泉”があります
入湯料にB/.6徴収されるようですが、先日食料を買い込んで無一文です
正確に言えば、記念用の硬貨B/.2と国境の賄賂用B/.5で払えなくはないのですが、、、
恐る恐る事務所に入っていき「は、、入っていい?」と聞くと「いいよ」と二つ返事、、、万歳!!!
この温泉と事務所は日本の政府開発援助金で設立されたみたいです
さすが温泉大国日本です、まさかボリビアまで
早速着替えて入浴、、、
き、、、気持ちいい、、、
危なく違う世界へ行ってしまう程気持ちよかったです
いや確実に足を一歩踏み入れてましたが、、、
7日振りにシャワーを浴びるだけでも至極の幸せだと思いますが、素晴らしい景観と温泉を一人占有するこの幸せ
筆舌に尽くし難し
身体中に付いた汚れはもちろんですが、心もまで浄化されたようで、ふわふわした満ち足りた幸福感でいっぱいです
湯の温度は38℃~40℃くらいらしいですが、長く入っているには適温で、40min近くぷかぷかと何も考えずに浸かっていました
このままここにテントを張らせてもらって朝風呂も、と思いましたが明日が宝石の道の最終日
まだ少し距離を詰めていたほうが良さそうです
後ろ髪を引かれる思いを振り切ってお湯から出ます
温泉といったら日本。こんなところまで開発しているとは、、
規模は大きくありません。ちなみに水着着用です
それはそうと、僕は鏡なんて持っていないのでなんと7日振りに自分の顔を見ましたが、ワイルドさに磨きがかかっています
頬まで生えた無精髭に、髪はポマードをつけたアメリカの青年のようになっています
体つきはリマで管理人をしていたときとは様変わりし、無駄な脂肪が取り削がれたようです
旅を始めて2年、見た目も少し変わったのかも知れません
自撮りしようと思うほどの変化
ここにいた犬が人懐っこくて最高に可愛かった
心も身体もリフレッシュして、あとはとにかく走れるところまで走ろうと思います
砂漠の中に茶色く綺麗な曲線をした山が連なる道を走っていたとき、突如何かに心が熱くなりました
その何かはよく分からないけれども、心が揺さぶられなりません
今日は、多くの親切心に触れ、極上の温泉に浸かり、地球を感じる景勝に囲まれ、本当に幸せでした
旅の大半が辛いことの連続の自転車旅行ですが、僕は充実した毎日を送っています
悪路が続いて毎日毎日発狂しそうな宝石の道でしたが、何だか明日で終わるのが寂しいという気持ちです
今自分がたくさんの人に支えられて生きているということに感謝します
ありがとうございます
この写真撮っている辺りが感情の高まりマックス
完全に砂漠です
今日ももちろん残業しております
夜は今までにない豪華なメニューが並んだそうです
さぁ、明日で宝石の道も最後です
0 コメント:
コメントを投稿